事務所移転、新店舗開設時のIT環境(電話、インターネット、パソコンなど)の環境構築について

事務所移転、新店舗開設時のIT環境(電話、インターネット、パソコンなど)の環境構築について

2013年 5月号

春は新しいことが始まる季節で、まさに引越シーズンです。多くの会社が事業の拡大のために事務所の移転や新店舗の開設などを行います。その際には、たくさんのことを成し遂げていかなければなりませんが、その中でもIT環境の構築は厄介なことの一つです。電話のこと、インターネットのこと、パソコンのこと、プリンターのこと・・・。日頃、優れた業務をこなす総務部であっても、このようなことが重なると、さすがにお手上げになってしまいます。普段はあまり気にしていませんが、今日の企業は大きくIT環境に依存して、業務を行っているのが現実です。その当たり前の環境を速やかに構築しなければならないにも関わらず、IT環境の構築は専門的で良くわからないこと、時間が掛る手続き、手間の掛る作業が山積みです。

この春、お客様が本社を移転するというケースがありました。拡大移転です。移転先での新しい電話番号を複数回線取得し、約30台のビジネスフォンを導入する。約30台のパソコンと1台のサーバ、数台のプリンターを移行する。ウェブサイトでは移転案内の告知と本社情報の変更、引っ越し先では電気工事後の床をさらに電話・インターネット・LANなどのための配線工事を行います。また不要になったIT機器の安全な(データ処理などの)破棄作業…と様々な専門技術を要する作業を限られた時間で進めていかなければなりません。

また、事業拡大のために支店を増やすというケースもありました。事務所の業務に適合したパソコン、プリンターなどの周辺機器を調達し、すべてのIT機器の設置・設定、新しい電話番号を取得して、開通工事を行う。インターネット回線も同時に進行させる。開業先では電話・インターネット・LANなどのための配線工事を行い、本社サーバへのVPN構築作業、さらに本社とのインターネットカメラ接続の構築を行います。また、ウェブサイトでは新事務所開設の告知などもあります。

移転や開設時のIT環境の移行に伴う構築作業などは自社の社員でできると考えてしまうことがあるようですが、それは大きな間違いであり、重大な問題の発生原因となります。実際に自社の社員で作業を行ってみると、専門知識の欠落や専門技術の不足により、構築が成し遂げられないことがほとんどです。なんとかできたとしても、非効率な運用になっていたり、無駄なコストがかかっていたり、セキュリティの問題で情報が漏えいしていたりします。また、業者選定を間違えて、複数の専門業者に委託した結果、コスト増が発生したり、問題が発生した際に、責任の所在が不明瞭で、対応が遅くなったり、解決することが不可能になることもあります。

事業の拡大などで移転や開設をする場合は、しっかりと社内でビジョンや計画を検討しておきます。そして自社の業務をよく理解できているIT関連の会社が検証して実現性を鑑みて計画の精査や修正、また時には関係者などへの調整が必要でしょう。そして、計画を十分にシミュレーションをして、電話会社(NTTなど)、電話・LAN工事会社、時には電気工事業者、テナントの管理会社等との多数の窓口業務を請け負います。そのようなことを円滑に進めながら、パソコン周辺機器の調達、設置設定、ウェブサイトの修正など多岐にわたる業務を遂行することのできる情報技術を持ち合わせた業者への依頼が必要になります。そのことが、素晴らしい事業拡大や新規事業の発展の第一歩になるのではないでしょうか。