Web戦略のありかたについて

Web戦略のありかたについて

2014年 2月号

Web戦略と広告戦略は必ずしも同じではない、ということを感じさせる企業様が多くなってきています。ホームページは世界中の人に見てもらえる自社の広告媒体で、紙媒体よりも安く、通販もでき、安易にもうけることができる。と思い込み、実際は集客も、利益も生み出さず、事業としてインターネットの活用ができないケースを私たちは度々見てきました。情報技術に対する理解も深めず、戦略も立てず、投資計画もなく、ただ安易にインターネットに手を出しても成功しないことは周知の事実であろうと思います。

現在の自社での業務をしっかりと分析して、その強みを活かしたり、弱点を補強したりするための対策として計画的にWebを事業に活かすことが大事です。Webはただの情報発信の広告ではありません。事業にマッチさせて活用することが望まれます。ある会社では、営業効果を更に発揮するためにWebを活用できています。それまでは、法人の顧客に対して営業マンが1件1件訪問し、受注を取っていました。営業マンの訪問件数には限界があり、営業マンの数も限界があります。しかし製造や在庫のキャパシティはまだ十分あり、会社全体としては受注量を増やしたいということがありました。注文システムと在庫システムを連結したWeb受注システムを構築して、営業マンの人数や労働時間や訪問件数を増やすことなく、受注量を増やすことに成功しています。

また、売上を伸ばすことと顧客へのサービス拡充を同時に行っているケースもあります。毎日のように注文をする消費製品を販売する会社で、その注文の間違いや集計の手間などの問題がありました。その問題の要素は複数の人が大量のデータを異なった場所から入出力することにありました。そこで、セキュリティに保護されたインターネット環境とWebシステムを活用することで時間差なく、間違いも無く大量の情報を一元管理及び共有化をして、利益増強と利用者でもある顧客に対するサービス向上を同時に解決し、成功しました。Webの活用で多方面の関係者がみんなハッピーになったケースです。

私たちはWebやインターネットが万能では無い、ということを認識しております。近年、発展してきた情報技術産業は今までのビジネスをさらに発展させる道具であり、夢物語をかなえてくれる漫画の世界のことではありません。企業や組織として多くの望みをかなえたいのになんに努力もせず、「なんでもかなえてくれる」都合の良いロボットなどがいるわけがありません。情報技術に対してシビアな目でアドバイスするパートナーや、自社の業務をしっかりと理解した上であるべきWeb戦略を立案できる社員教育をすることが、Web活用のもっとも近い道なのかもしれません。