ITにおける各分野の専門性について

ITにおける各分野の専門性について

2014年 9月号

一言で「IT」と言ってもその分野は多岐に渡ります。「IT関連企業」も多く存在しますが、各社得意とする専門分野があります。もちろん大手のSIerなどは、すべてを包括的に守備範囲にした総合力をもっていると思います。しかし、多くの中小ベンチャー企業の規模ですと、たとえばソフトウェアの開発が得意な会社とか通信ネットワークやインフラの構築が得意な会社とかWEBサイトの企画運営が得意会社というようにバラバラに存在します。

おそらく、このような状態は「IT業界」に限らず、建設の業界でも、医療の業界でも同様なのではないでしょうか?しかし、建設業界や医療業界では、その企業や病院をりようする側の方がその分類や自分のニーズにあっている分野を理解しやすいのですが、新しい産業(技術)であり、分野の境目が一般の方には理解しづらいIT業界ではその利用者が混乱したり、上手に活用できないケースが多いのだと思います。

例えば、ごく一般的な会社でも「IT」の活用分野は多く存在しているはずです。まず、パソコン、そしてプリンターや複合機、インターネットのプロバイダー、電話配線やLAN(社内ネットワーク)、仕事で使っている業務ソフトや会計ソフト、その他ワードやエクセル、そしてホームページ、サーバーなど・・・これらは正確に言えばすべて分野が違います。

多岐にわたるIT業務について社内担当部門を一本化することはなかなか困難なことだと思います。各分野に精通した社内SEが必要ということになってきますので、現実的には考えづらいと思います。また、IT業務を外注している企業であれば一次窓口を特定の取引業者として、業務上で特定の分野にいて専門性の高いレベルの業務を委託することになった際には臨機応変に委託業者を新たに開発したり、変更していうことが有効な戦略になってくるのだと思います。