ITパートナー(業者)に期待するコンサルティングのスキルについて

ITパートナー(業者)に期待するコンサルティングのスキルについて

2015年 5月号

企業の担当者は自社のITに問題を感じているからこそ、ITパートナーに相談を依頼するのだと思います。一見、システム会社に依頼すれば簡単にできるのではないか、と思える内容のことでも実際、多角的に調査して、求める結果から逆算するとハードルが高いことに気付くことも多くあります。そうすると、技術的に困難である、そんなに予算が掛るとは思わなかった、予算は無いがやりたいので成功する可能性は限りなく低くリスキーな手法だが社員(素人、システム未経験者、ロースキル人材)が業務と並行してソリューションに乗り出す、などあきらめたり、間違った選択をしてしまったりすることがあります。

最近あらためて重要視されていることがITパートナーの担当者のコンサルティングスキルです。システム開発・構築プロジェクト経験者やPM(プロジェクトマネージャー)、ITコンサルタントとして豊富な経験を積んでいるエンジニアがいると、そのような場合にこそ役立ちます。つまり彼らはそのような困難な状態であること自体も一つの問題として捉え、認識し、コンサルティングスキルを活用して、解決に向けて動き出します。それは経験から積み上げられた、教科書では答えが見つからないような創造的なアイデアの立案手法です。

しかし、このようなITエンジニアは数的には圧倒的に少ないのが現状です。仕様や要件を明確化をお客様に求め、常にその依頼に対して(言われたらやる、言われたことだけやるというような)受け身的な行動を熱心に行っているエンジニアが多いのです。そこには当然、温度差が起こりプロジェクトはうまくいきませんし、スタートすら切ることができないことも多くあるのが現状です。

確かにソリューション(問題解決)にはお金も時間も人材も必要です。それは明白なことです。しかし、その解決資源(リソース)が不足しているからと言ってただあきらめるのはITエンジニアとして努力不足、情熱不足、さらに言うとスキル不足です。ITエンジニアなプログラムを書くことが仕事ではありません。目の前にいる困ったお客様をテクノロジストとして救うことが使命です。そうした誠実なコンサルティングスキルを持ったITパートナーを見つけていくと事業や経営の手助けになるもかもしれません。