企業経営にIT戦略が必要な理由について

企業経営にIT戦略が必要な理由について

2016年 7月号

会社の業務で当たり前のようにパソコンや業務システムまたはインターネット等のITツールを利用しているにも関わらず、理想通りに業績が上がらないことや、競合他社に勝てないことが多くあります。それはいったいなぜなのでしょうか?どのような会社でもITを利用しているのですから、企業としてはその重要性は十分に理解しているはずです。ところが実際は思うような成果に結び付いていないというケースが多いということになります。社会的にも大きな問題であると言えるでしょう。

まず、企業の中でITを活用する業務に対する共通認識がすべての社員に共有化ができているでしょうか?つまり、「なぜITを業務に導入するのか?」とか、「どのようにITを業務で活用すればよいのか?」とか、「業務のIT活用とはそもそも何なのか?」等のことに対して徹底的にITの社員教育を行い、社員全員のITリテラシーを向上させていかずして、ITによる業績向上は望めません。多くの会社でこのことが欠落しており、無駄な時間や予算を費やしていています。そして、挙句の果てにはITベンダーの業者に責任転嫁をしている会社があるのも事実です。

企業はまず業績向上のためのIT戦略をしっかり定めなければなりません。いつまでにどのような目標を達成しなければならないのか?そのためには社員のITに対する知識と技術をどこまで高めなければならないのか?その上で、目標達成のためにどのようなITツールやシステムが有効なのか?等を一つ一つ明確にしていかなければなりません。特にITに関する社員教育の計画と実践は優先的に進めなければなりせん。ITリテラシーはスタート時では一人一人で多少なりとも差があります。それを理解したうえで、全員が目標値まで上がるような計画が必要となります。

会社に具体的なIT戦略が無いことこそが経営が思うように伸びない原因であると言うことは多くのITコンサルタントが示しております。確かに、その通りだろうと思います。しかし、より深く考え、調査するとその漠然としたIT戦略というものが、ITツールやITシステムありきになっていて、大切な社員のIT教育に向けられていないことが浮き彫りになります。企業は人なり。と言いますがIT戦略においても人はもっとも大切なテーマなのではないでしょうか?