ITエンジニアの行動スキルについて

ITエンジニアの行動スキルについて

2016年 10月号

最近の人材評価のなかではよくコミュニケーションスキルという言葉をよく耳にします。仕事を進めて行くなかで、自分以外の人達との関わりは無くてはならないことですし、しっかり身につけておかなければならないスキルであると考えます。このコミュニケーションスキルが無いと上手く仕事を進めることはできませんし、仕事で成果を出す人材に成長することは難しいと言われております。そのため、採用の際にはこのコミュニケーションスキルの審査をしたり、入社後の研修などでコミュニケーションスキルを成長させることなどが様々な企業で行われているようです。

しかし、大事なことはそのコミュニケーションスキルだけでは仕事において大きな活躍をすることができないということです。しっかりとしたコミュニケーションスキルの上にやはりプロとして、専門技術者としての行動スキルを身につけていなければなりません。行動スキルと言っても一体何かというのは漠然としていると思いますが、仕事の成果は最終的には行動によって成り立つということを考えるとイメージしやすいかもしれません。とても、素直で感じのよい、雰囲気のよい技術者が意外にも成果を出すことができないことがあります。それは一体、どうしてなのでしょうか。

そこでこの行動スキルというテーマが当てはまるのではないでしょうか。コミュニケーションスキルがあり相手の言っていることが理解できても、ただ言われたことだけを行うという行動の場合は仕事の成果が出にくい場合があります。行動の結果が指示に従うということになっているからです。これは決して間違ってはいませんが、行動より先に指示があり、指示が重視されております。単に与えられた指示の実行だけでは、なかなか素晴らしい成果が出ないのが専門技術の分野の仕事なのではないでしょうか。

優秀なITエンジニアを見ると高いコミュニケーションスキルがあり指示の実行も当然行っているのですが、自分の仕事の方向が言われた指示だけでなく、相手の求める目的の実行に向けて仕事をしているように見えます。この行動には豊富な経験と自信や勇気のような要素が必要なのかもしれません。ITエンジニアは毎日の仕事の中で常にこの高い行動スキルを磨いているということになるのかもしれません。