システム会社に知られてしまう情報について

システム会社に知られてしまう情報について

2017年 1月号

システム会社に開発などの作業を依頼するとどうしても会社の様々な情報を提供しなければなりません。きちんとしたシステムを設計・開発しようとするならば、そこで扱う情報をきちんと考慮しておかなければならないので、どうしても必要なことです。そのため委託する際は両者間で機密保持契約書やNDAなどと言う契約書を合意して取交し、情報が外部に漏れることを防ぐ手続きを行います。漏えいの心配は概ねなくなりますが、両者間では情報のやり取りはできることになりますので、もし業者に知られたくない情報があっても、知られてしまうことがあります。

システム会社に委託するのだから、ある程度の経営数字や顧客情報や社員データなどを見られてしまうことは仕方ないとしても、あまり気分の良いものではありません。また、データは担当者だけでなく、委託するシステム会社の開発メンバーの誰に見られてしまうのかがわからないことが多いです。益々、不安や余計な気を使うことになるのは当たり前のことかもしれません。しかし、システム会社に見られてしまう情報よりも知られてしまうと、とても恥ずかしいことがあることを多くの会社が気づいていないことがあります。もちろん、あてはまる場合とあてはまらない場合がありますが、経営情報よりも顧客情報よりも時には、困ってしまうこと、恥ずかしいこととは一体、何なのでしょうか?そんなことは本当にあるのでしょうか?

実はそれは数字などの客観的な事象ではないのです。つまり、社風とかリーダーや経営者の資質という物が一目瞭然で伝わってしまうのです。そして、それをシステム会社のエンジニアに他社との比較をされたり、評価されたりしてしまうのです。もちろん、情報漏えいなどのクリティカルなことではありませんが、場合によっては大変、恥ずかしいことです。

システム会社の担当者やメンバーは、多くの打ち合わせや情報のやり取りをしていく中でこのようなことをどんどん知っていってしまいます。社内で不協和音があると、それも伝わります。また、言葉使いの悪い会社との打ち合わせでは、「どうせこの会社は社長もガラが悪い三流の経営者なのだろう。」とか、担当者が値切り交渉ばかりしていると、「どうせこの会社の社長はケチで我利我利亡者なのだろう。」などと勝手な他社比較や評価をされてしまいます。社風と資質を見られているという前提でパートナーシップを提携する会社が増えているのも、このようなことに気づいているからなのかもしれません。