システムの完成への道のりについて

システムの完成への道のりについて

2017年 3月号

よく「システムが完成しない。」とか「作ったシステムを結局は使っていない。」というお話しを聞きます。本当に多くの会社でこのような事象があるようで驚きます。ここでは、システムの完成とはいったい何か?ということを考える必要があるのではないでしょうか。お客様の要望通りにシステムができあがり、各種の機能が正常に動くということも完成でしょうし、システムが稼働して費用対効果の測定もできて確かにシステムの導入が成功したと判断できることが完成となることもあるでしょう。

しかし、システムの完成への道のりはとても険しく、遠い道のりなのです。世の中には簡単に完成するシステムなどは無いのだと思います。そう考えれば、やはり、その完成への道のりをしっかと進むということが大切になるのではないでしょうか。システムの完成が道のりのゴール地点だとすれば、その道のりにはスタート地点があるはずです。そこからスタートしてお客様の要求を定めて作るべきシステムの基本的な設計を行い、開発のメイン作業に取り掛かります。その後は各機能の試験を行い、運用が始まります。システムの稼働開始が一つのゴールになるのかもしれません。

このようなレースとも言えるような道のりの中でゴールができないとすれば、それはリタイヤしたということになるのではないでしょうか。つまり、リタイヤしなければ、または一度はリタイヤしてもリスタートして、その後はリタイヤしなければ必ずゴールに辿り着きます。システムの完成まで「逃げず」「投げ出さず」「諦めず(バンザイせず)」最後までやり抜くことがシステムの完成ということになるのです。しかし、それができないシステム会社がたくさんあるということです。また、そういうお客様がたくさんいるということです。

システムをシステム会社に発注するときにはその大きさや技術実績や見積金額だけでなく、その会社のシステムエンジニアは逃げる人諦める人なのか、またはそうではないシステムエンジニアなのか、を見極めることが大切なのでしょう。システムが完成するか完成しないかは、そのシステム開発に関わる一人一人のシステムエンジニアの心が大きく影響するということは正しい意見の一つなのかもしれません。