優秀なシステムエンジニアの特徴について
2017年 6月号
システムエンジニアが優秀であるか否かの分岐点についてはとても関心の高いテーマであると思います。様々な要素があると思いますが、その一つが「素直さ」であるのではないかと思われます。しかし、一言で「素直さ」と言ってもシステムエンジニアにとっての「素直さ」とはいったいどういうことなのでしょうか?
システムエンジニアにとって創造的なアイデアはとても重要です。お客様からの依頼に対して、現状調査を行い、業務分析を行って、その後はいよいよ問題解決へのシナリオを作成していきます。そのシナリオはシステムエンジニアにとって自分の知恵が試される最大の腕の見せ所になるのではないかと思います。独創性やクリエイティブな発想やアイデアが試される仕事であり、相手のお客様が素晴らしいと言って、納得してもらえるようなシナリオでなければなりません。そこでは各々のシステムエンジニアの個性やオリジナリティがあると思いますが、共通の特徴も見受けられます。
それは、優秀なシステムエンジニアとは自分勝手にアイデアを作っているのでは無い、ということなのです。一体、どういうことなのでしょうか?実はたくさんあるシステム開発の事例や自分の積み重ねてきた経験値から同じような案件を探し、最も優れた「お手本」のようなものを探しているのです。また、いくら探しても自分が納得のいく「お手本」が見つからない時には膨大な時間を費やし、必死で他の優秀なシステムエンジニアからアドバイスや意見を聞き求め、「お手本」を見つけ出し、それらを素直に受け入れて、自分のアイデアを創り上げていくのです。つまり、逆を返せば「自分には自分のやり方がある」とか「人の意見は聞きたくない」とか「自分の得意なことだけをお客様に提案する」というシステムエンジニアは一見優秀に見えても実は優秀ではないのです。つまり「素直さ」が無いエンジニアは優秀では無いのです。
誰だって人に指図をされることは嫌なことかもしれません。しかし、自分という私心、利己心、見栄、欲望を捨てて、自分の身も心も頭脳の能力の経験も知識もすべてがお客様の物であると考えられるような「素直さ」こそが、一見独創性やクリエイティブな発想をしているシステムエンジニアにとって大切なことになるのです。技術者ですから誰でもプライドはあります。しかし、その「つまらないプライド」はこの「素直さ」で押し退けていかなければならないのかもしれません。