ITツールと人の気持ちについて
2017年 8月号
最近SNSや通話アプリ等のITツールの普及が進み、誤った使用方法での事件や事故が多発しております。特に子供達が被害者になってしまうケースが多く社会問題になっております。子供達に対して正しいITリテラシーを教えていくことが急務であることは当然ですが、果たして大人のITツールの利用方法はそのお手本になっていると言えるのでしょうか。
大人は社会人として、仕事内容や立場を理解した上で正しくITツールを使用することを考えなければなりません。大人は幅広い人間関係の中で様々な人たちとの間に利害関係を抱えております。だからこそ、自分以外の利用者の存在を忘れてはならないのです。例えば、SNS等に自分にとっては良かったこと、楽しかったことを書き込みます。しかし問題は「自分にとっては」なのです。SNS等を勝手に自分のモノであるという大きな勘違いをしている人が多く見受けられますが、これらは多くの利用者がいるみんなのモノの一部を自分も利用しているということなのです。つまり「相手にとっては」とか「みんなにとっては」と言う観点で利用をしなければトラブルの原因になってしまう可能性を秘めているのです。
「自分にとっては」お知らせのつもりでも、「相手にとっては」ただの自慢話であったり、見栄の張り合いであったりしているように見えてしまい、その事に疑問や不快感を抱く利用者が最近は増えていると聞きます。「いいね」の数なんかより、はるかに「冷やかなサイレントクレーム」の数の方がはるかに多いのに、そのことに気づかずに自分の都合だけでSNSなどを利用している大人が多くいることには驚きます。また、SNSに限らず、返すべきメールに返信せずに、読むだけ読んでおいて「私は返信しない主義」等ということを公言するような馬鹿げた大人がいるのも驚きです。そのようなIT非常識人間は直ちにその人の名刺やその人の記載がされている名簿や手帳などからその役に立たないメールアドレスを黒く塗りつぶすべきでしょう。
相手がいるにも拘らず、他の利用者がいるにも拘らず、自己中心的な書き込みや友達リンクの自分勝手な解除、メールの無読や無返信など、大人達が勝手な言い訳を言って誤った利用方法をしていることこそが実は大きな社会問題と言えるのです。特にインターネットを活用したITツールはオープンで公共性が高いという特徴があります。先ずはその事を大人達がしっかりと理解して利用する事を覚えずに子供達の被害を無くす事などはできないのではないでしょうか。