納期回答ができない業者について

納期回答ができない業者について

2017年 9月号

どんな仕事であっても業者にその仕事を委託する際に気になるのは、当然その品質と金額そして納期であると思います。今回はこの納期について考えてみたいと思います。特にITシステムの場合は会社の業務に直結するケースが多くありますので、委託している作業がいつ完成するのかということは大変大事なことになってきます。その点でもお客様は業者に対してきちんとした納期の回答を依頼することになるのは当然のことです。

しかし、IT業者の中にはそのきちんとした納期回答ができない会社が多くあります。一人の技術者としてのレベルであってもこの納期回答ができないエンジニアがいます。このことで多くの会社が困ってしまったり、トラブルに発展してしまったりしているのです。そこで、この納期回答ができない理由というものをしっかり考える必要があります。納期回答ができないIT業者の理由は「他の案件も受けておりそのため納期を読むことができない」とか「やったことが無い作業が含まれているため、その部分の納期を読むことができない」といった言い訳のような理由を挙げてくるでしょう。

ところが、これはおそらく言い訳ですので本当の理由を考えなければならないのです。たとえば他の案件を受けていたとしても、その案件の納期がきちんと読めていれば、本来の案件の納期も読むことができるので、回答自体はできるはずです。また、やったことが無い作業に関しても今までの経験上、前後することはあったとしても作業工数を読むことはできるはずです。そう考えると納期回答ができない本当の理由が徐々に明らかになります。つまり、納期回答のできない業者は根本的にその案件に対する技術が足りていないのです。しかし技術会社あるいは技術者としてお客様に対して「技術が無くてできません」ということを言えないのです。または、本当はその案件をやりたくないのです。やる気が無いのでしっかりと工数などを考えたり計算したりすることから逃避してしまうのです。しかし、「社会人としてやる気がおきません」とはお客様には言えないのです。

もちろん、納期回答ができない理由は上記の二点だけとは限りませんが、特に個人事業や数人の技術者で構成されている会社はこの技術の不足とやる気の欠落はお客様に対する単なる怠慢であるにも関わらず、想像以上に多く存在しており、今日のIT業界の大きな問題の一つとなっております。依頼することに対してきちんと納期に向き合っている姿勢があるかを見極めることも大事な業者選定の一つの要素と言えるのではないでしょうか。