お客様との信頼関係と協力関係について

お客様との信頼関係と協力関係について

2017年 10月号

システムを作るにあたってお客様からの要望通りに開発すること、または要望以上の開発をすることはシステムエンジニアに与えられた使命です。プロフェッショナルとしての技術があれば当然できて当たり前であると考えられています。ところが、現実は上手くいかないプロジェクトが多数存在し、悩みを抱えているシステムエンジニアも多いのではないでしょうか。いったい、何故そのようなことになってしまうのか。そこにはシステム開発そのものの捉え方とシステムエンジニアとしての考え方に大きな原因があるのではないかと考えます。

まず、システム開発の捉え方ですが、スタートとなるお客様の要望というものを今一度、考え直して頂きたいのです。あまりにも簡単に要望やゴールを決めてしまっていることはないでしょうか。システムの要望やゴールをお客様だけ、またはシステムエンジニアだけで決めず、システム開発で本当に解決するべき深い問題を徹底的に探し求めてシステム開発の真の要望とゴールを決めることに注力することが、システム開発のスタートであると捉えることにも気づいて頂きたいです。

次にシステムエンジニアとしての考え方です。当たり前のことですがシステムエンジニアは技術者です。当然、技術がなければプロフェッショナルではありません。だからこそシステムエンジニアは技術でお客様の問題を解決しようとします。しかし、その技術が専門的な情報技術のスキルだけに偏りがちになる傾向があるのです。先にも述べた通り開発するべきシステムの真の要望やゴールはそのような情報技術のスキルだけでは決して見つけることができないのです。システム開発を通じて実現させるシステムソリューションは決してシステムエンジニアだけでは実現できないのです。お客様とパートナーシップを組んでこそ実現化するのです。

お客様の要望を越えるシステム開発を成功に導く鍵はお客様とのパートナーシップを築き信頼関係を構築することで、お客様に快く協力してもらえるような関係を維持し続けるスキルなのです。優秀なシステムエンジニアになるためには、一見中々探し出せないと思われるお客様からのシステム開発そのものの真の要望を探しだし、これだ!と決定することができる技術を体得することでもあるのではないでしょうか。