得意な人に頼んでしまうリスクと被害について

得意な人に頼んでしまうリスクと被害について

2017年 12月号

仕事でITを活用しようと思ったときに、社員ではITに強い人材がおらず、知り合いでITの得意な人がいるとそこに相談して色々と頼んで仕事進めることがあります。初めからプロの専門業者に頼める予算もなく、専門業者との難しい話などもわからない事が予想されるので、安易に知り合いに頼んでしまうという気持ちは良くわかります。

始めはたいした金額も要求されず、比較的気楽に相談に乗ってくれるので重宝して仕事を進めていくことができるのですが、徐々に問題が起きてきます。自社のビジネスが順調に発展していくとそれまでのITシステムやWEBサイトを更に高度なものにレベルアップさせようと思うことはごく自然なことです。しかし、始めに頼んでいた得意な知り合いの人はそこまで高度な専門技術は持ち合わせておらず、お互いにストレスとなってしまうのです。しかしビジネスですのでストレスは良くありませんし、良好に見えていた関係が、安かろう悪かろうのルーズな関係であったことが露呈してしまうのです。

よくある「知り合いでITの得意な人」の問題は色々なリスクを生み出します。まず、セキュリティです。システムの不備で会社の機密情報などが漏れてしまっても、技術的な対策が取られていないので莫大な被害が発生します。また、WEBサイトで言えばドメインなどの管理もお互い不明点だらけで、WEBサイトが上手くリニューアルできなくなってしまうケースもあります。もっと危険な事態は、その知り合いでITの得意な人が依頼されたことをやってくれなくなってしまうことや、知り合いでITの得意な人に連絡が取れなくなってしまうことです。これは大きな揉め事にまで発展してしまいます。

しかし、そもそも知り合いでITの得意な人が悪いのでしょうか?安易に知り合いでITの得意な人に頼んでしまった会社が悪いのではないでしょうか?責任は安易に知り合いでITの得意な人に頼んでしまったことにあるのです。ビジネスでITを活用する際は、その良い面だけを楽観的に捉えると同時に、ビジネスの将来をしっかり見据えてシビアに自分を律して慎重に考えていかなければなりません。ITは私たちの身近に存在しております。またそれに関する得意な人、好きな人も周囲にたくさんいることでしょう。しかし、その人たちはITが好きなのです。ITのことが得意なだけなのです。そのことと会社のビジネスの発展を考え、そのための技術を持っていることは違うことなのではないでしょうか。